沖縄本島には、橋で繋がっていて、車で行くことのできる離島がいくつもありますが、今回ご紹介する「浜比嘉島」は、沖縄本島の東海岸、うるま市にある4つの離島(平安座島・宮城島・浜比嘉島・伊計島)のうちの1つです。
「浜比嘉島」へは、うるま市海中道路を渡った先にある平安座島(へんざしま)から浜比嘉大橋を渡って行きます。橋でつながっていてアクセスが良く、また、あまり観光地化されておらず、昔ながらの民家や素朴な風景が魅力の島です。
琉球の開闢神話に登場する女神・アマミキヨ(アマミチュー)が、その夫シネリキヨ(シルミチュー)と新婚生活を送ったとされ、島自体がパワースポットとも言われているウエディングで沖縄に訪れた方にぴったりな観光スポット!
2人が過ごし、最初の子供を授かったと言われる場所は、現在シルミチュー霊場と呼ばれ、子宝を祈願する人が今も数多く訪れるのです。今回は、そんな神秘の島・浜比嘉島について詳しくご紹介いたします。
沖縄には、各地に琉球の神話が残っていますが、ここ浜比嘉島は、神話の中でも有名な場所の一つ。
神話には諸説ありますが、ニライカナイ(東方の海の彼方にあるという、この世とあの世の交わる場所で、神様が住むところ)からやってきた女神「アマミキヨ(アマミキヨ、アマミチュー)」は、日の大神に命じられ、久高島を皮きりに沖縄本島や島々を作り、神々に祈りをささげる御嶽(うたき)を作ります。
多くの御嶽が現在も残っていますが、なかでもアマミキヨによって作られた聖地のうち7つが、琉球開闢七御嶽として語り継がれており、もっとも核の高いもの「斎場御嶽」(せーふぁうたき)として世界遺産にもなっているのです。
その後、伝説によると、「シネリキヨ(シネリク、シルミチューとも)」という男神が登場し、アマミキヨと夫婦になり、子供を授かったとされています。
このアマミキヨとシネリキヨが過ごして子供を授かったのが浜比嘉島、そして浜比嘉島の人々はその子孫と言われています。浜比嘉島では、今でも字比嘉のノロ(祝女・神事を執り行う女性)が中心となり、聖地を巡り、豊穣や子孫繁栄を毎年の行事で祈っているのです。
神話が息づく島、浜比嘉島の代表的な聖地となっている場所をご紹介します。
浜比嘉島の子宝祈願のパワースポットが「シルミチュー霊場」
浜比嘉島は、「浜」地区と「比嘉」地区に分かれているのですが、シルミチューは「比嘉」地区。島に入って左折し、そのままずっと進んだ先にあります。
手前には「シルミチュー公園」があるので、そこに車を停めて歩いて5分程度。写真のような鳥居と奥に登る階段が見えます。
階段を登った先には、子宝を授かるという霊石があるのですが、通常は鍵が閉まっていて見ることはできません。
しかし効験あらたかな場所として、現在でも子宝祈願に多くの人々が県内外からも訪れます。
筆者も以前ここで「お参りしたおかげで子供を授かったので、今日はお礼参りに来ました」という女性に会ったことがあります。
比嘉地区の海岸沿いに、小道でつながった小さな島があります。この島は「アマンジ」と呼ばれているのですが、島に渡って裏に回ってみると、洞穴を囲い込んだお墓があるのです。(地元では、アマミチュー、シルミチュー、そして他の神様たちが祀られていると伝えられる)
昔は干潮時のみ渡ることができましたが、現在では道が舗装されているので、天候が荒れていなければ簡単に渡ることができるようになりました。
こちらは浜比嘉島の「浜」地区にある「東の御嶽」(あがりのうたき)。
大きなガジュマルの木が印象的な場所で、沖縄に古くから伝わる自然崇拝を実感できる場所です。
ここでは、旧暦の6月28日と8月28日に、海の時化(シケ)を祈願する「シヌグ祭り」が行われていることから、「シヌグ堂」とも呼ばれています。海が荒れることを祈願するなんて変わっていますが、昔、まだ琉球王国が成立していないころ、戦に敗れた武将がその身を浜比嘉島に隠し、時化により難を逃れたことによるものだそうです。
浜比嘉島は、離島なだけあって海がキレイ!せっかく島まで来たのだからビーチにも立ち寄りたい……そんな方のために代表的なビーチを2つご紹介します。
ムルク浜は、浜比嘉島に唯一あるリゾートホテル「ホテル浜比嘉リゾート」の管理するビーチです。もちろん宿泊者以外も利用できます。(駐車場は1日500円)
ちょっと狭い道を通るので、運転に自信がない方はアマミチューあたりに車を停めて歩いて行くこともできます。
天然ビーチですが、シーズンにはトイレ、シャワー、売店も完備。
マリンアクティビティの受付カウンターも設けられ、各種マリンスポーツを楽しむことも可能。目の前にある無人島・南浮原島へのツアーなども実施しています。
バーベキュー機材の貸出もあるので、海辺でバーベキューも楽しめちゃいますよ。
ウミガメも産卵に訪れるという美しいビーチ、海の美しさは折り紙付きです。
「ムルク」とは、沖縄の方言で、みんな(ムル)に来て欲しい(クゥ)浜という意味があるそう。ぜひ行ってみて下さいね。
こちらは、浜比嘉大橋からすぐ近くの浜比嘉ビーチ。浜ふるさと海岸とも呼ばれるこのビーチは、キレイに整備された人工ビーチです。
堤防に囲まれているので、波がほとんどなく、安心して海水浴を楽しめるビーチとなっています。シャワーなどは道の向かいで有料シャワーを使うことができますよ。
海岸は防風林に囲まれているので、道から出入口が見えにくいのですが、林が途切れているところから入ることができます。
うるま市海中道路を渡った平安座島から、そのまま宮城島-伊計島と続く道を右折した先にある浜比嘉島。今でこそ橋でつながっていて気軽に行けるようになりましたが、以前は孤立した離島だったことから、昔ながらの文化を残しているのが特徴です。
この小さな島では、今でも島の人々が大切に神事を取り行っています。琉球を作った神様が新婚生活を過ごしただけでなく、子供を授かったという伝説がある島は、素朴な沖縄の原風景に心も癒される場所です。その由来からも、結婚式の前後に訪れる場所としてぴったり!お子様が欲しい方、これからの夫婦円満のご祈願もあわせて訪れてみてはいかがでしょうか?
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