結婚するカップル、特に花嫁にとって大事なことと言えばウエディングドレスが挙がるのではないでしょうか。
マナーや格式をあまり気にせず、自由度が高いリゾートウエディング。どんな衣裳を着るかにはこだわりたいですよね。親族から譲り受けたり、自身で購入、レンタルしたウエディングドレス・衣裳を着用する時には、TPOにも考慮する必要があります。
花嫁のドレスに合わせてレンタル・購入する新郎の衣裳は、色やデザインを合わせるのはもちろん、挙式を行う時間帯によって着用できるものが異なるため注意が必要です。
ここではそんな沖縄結婚式で着用される新郎新婦の衣裳についてご紹介します。
花嫁の衣裳は昼・夜で着用する衣裳が決まっている男性とは違い、時間帯での着用の定めはなく、挙式スタイルなども気にせず自由に選ぶことができます。
女性の衣裳は、大きく分けてウエディングドレス、カラードレス、白無垢、色打掛、引き振り袖の5種類。沖縄らしさを追求する場合、琉装(りゅうそう)も選択肢のひとつとなります。
結婚式では花嫁にのみ許された衣裳。基本的には白かパールホワイト、オフホワイト、シャンパンゴールドなどが用いられ、色や柄が入ったものは基本的にありません。
ウエディングドレスには、ヴェール、グローブ、ティアラ、ブーケを持つのがクラシックな装いですが、最近ではグローブの代わりに指の部分がないフィンガーレスグローブを着用したり、ティアラの代わりにクラウン(輪になった王冠)や花飾りを用いたりと自由度が高くなっています。
また、リゾートウエディングでは「2WAYドレス」という、肩や裾の飾りを取って2通りのデザインが楽しめるドレスをお色直しに用いることも。1着でよいため荷物を極力減らしたいカップルにおすすめ。
そんなウエディングドレスのデザインはネックラインとシルエットによって大きく分けられます。
オフショルダー、スクエアネック、ハイネック、ビスチェ、ホルターネックなどのネックラインがあり、それぞれ花嫁の顔の大きさ、形、肩のラインなどに合わせて選ぶとよいでしょう。
例えば、肩先を出したオフショルダー型のドレスは顔を小さく見せる効果があり、一方首元まで覆うハイネック型のドレスは華奢な方におすすめです。
マーメイドライン、Aライン、プリンセスライン、スレンダーライン、ベルラインなどがあります。スタイリッシュに見せたい場合はAラインやスレンダーライン、お姫様のようなスタイルに憧れる方はプリンセスラインやベルラインなど、好みによって選びましょう。
また、ラインによって胸やお腹周り、足など強調したいなど、カバーしたい部分によってシルエットを選ぶのもアリ!ラインだけではなく、ドレープやフリル、素材によっても着用したときの印象が大きく変わるので、シルエットが異なるドレスを試着して決めるのがおすすめです。
ゼクシィ結婚トレンド調査2017によると、カラードレスを着たという先輩花嫁の割合は62.7%と、半数以上の花嫁がカラードレスを選択するようです。
カラードレスは一般的にお色直しで着用するもので、挙式に用いることはありません。その分、色やデザインの自由度が高く、アクセサリーにも制限がないため花嫁の好きな色・デザインのドレスを着用しましょう。
また、色白の人は淡い色、色黒の人は原色など、体系や肌の色・メイクによって似合う色味も異なってくるので、試着する際はメイクをした状態で行うのが失敗しないコツ。ピンク=優しさ・幸福や、レッド=活発、イエロー=元気など、色味によって人に与える印象も変わってくるので、『どんな印象を持ってもらいたいか』から逆算する方法もおすすめです。
リゾートウエディングではあまり用いられることがありませんが、和装ウエディングといえば白無垢。男性の紋付袴とは違い、白無垢は結婚する花嫁のみが着用する着物です。
純白の打掛(うちかけ)、掛下(かけした)という着物に角隠し(つのかくし)という布を頭につけ、その上に綿帽子(わたぼうし)と呼ばれる頭巾をかぶります。また、白無垢はもともと武家の婚礼衣裳のため、懐剣と扇を身に着けるのも特徴です。
お色直しで着用されることが多い和装。実は、色打掛は白無垢の時に着用していた掛下(かけした)という着物に色柄の入った打掛(うちかけ)を羽織るだけ、という仕組みのためお色直しも簡単です。
未婚女性が着用する「振袖」の裾部分が長く、引きずるように歩くことからこの名前が付きました。また、打掛を羽織らないため、帯が良く目立つのも特徴。引き振り袖の中でも黒地の「黒引き振り袖」は特に格式が高いとされていますが、振袖は成人式などで着用したもの(裾部分のお直しが必要)でも良いとされています。
新郎の衣裳スタイルは、基本的に新婦の衣裳のデザインやカラーに合わせれば間違いありません。
そんな新郎の衣裳は主に洋装4種類と和装の5種類が主に着用されています。和装に関して特に挙式での定めはありませんが、洋装に関しては着用する時間帯によってそれぞれ正装とされる衣裳が異なるため、自身で衣裳を持ち込む場合などには注意しましょう。
フロックコートは男性の昼の正礼装。朝から夕方4時くらいまでの挙式で着用されます。膝くらいまであるジャケットの丈が特徴。ネクタイ、蝶ネクタイの定めはなく、また色も黒、ブルー、シルバーなど豊富です。
フロックコートは背が高い男性のスタイルが良く見える一方、背の低い男性が着ると足が短く見えることも...。また、胴周りの体格が良く見えるため細身の男性にも向いています。
モーニングは新郎新婦の父親が着用する衣裳というイメージがありますが、新郎も着用できるれっきとした男性の昼の正礼装です。こちらも、フロックコートと同様朝から夕方4時くらいまでの挙式で着用されます。
フロックコートとは違い、ジャケットの前が斜めにカットされ、後ろの丈が長いのが特徴。首元にはネクタイを着用します。また、モーニングには縞のズボンを合わせるのが定番とされていますが、新郎新婦のお父様と衣裳が重なってしまうため、新郎が着用するものはシルバーやブルーなど色の入った上下が用意されることが多いようです。
男性の夜の正礼服。いわゆるドレスコードの「ブラックタイ」はこのタキシードに当たります。ジャケットは普通のスーツと同じくらいの丈で、黒のボウタイ(蝶ネクタイ)、カマーバンド(腰元を覆う帯)を着用するのが特徴。黒が正装とされていますが、最近は白、シルバー、光沢のあるブルー、チェックなど柄、色が入ったものも多く用いられます。
また、リゾートではカジュアルな結婚式やフォトウエディングの際に白系統のタキシードにハーフパンツを合わせたスタイルも目にすることがあります。
別名テールコートとも呼ばれる、夜の正礼装。上着の前が短く、後ろが燕(つばめ)の尾のように長いことから、このような名前で呼ばれています。
いわゆるドレスコードの「ホワイトタイ」にあたり、正式にはタキシードよりも格が上の装いとされていますが、日本ではあまり区別されずに用いられています。その名の通り、白い蝶ネクタイを着用するのですが、こちらも近年では白、シルバー、淡いゴールドなどカラーバリエーションが豊富です。また、足が長く見えるため、スタイルに自信がない新郎にもおすすめの衣裳。
いわゆる和装での結婚式に着用される衣裳。なかでも、新郎の衣裳として用いられることが多いのは、和装の中でも最も格式が高いとされる「黒五つ紋付き羽織袴」。
その名前の通り、黒く染められた羽織(はおり)の胸側に2つ、背中に3つそれぞれ白く染め抜かれた家紋が入っているのが特徴です。袴はグレー、白黒の縦縞が入ったものなどが用いられ特に制限はありません。
ただし、最近ではウエディング用に家紋を金色で染め抜いたものや、光沢のある濃いブルー、シルバーなどカラフルな羽織袴も登場していますので、花嫁の衣裳に合わせてコーディネートするとよいでしょう。
沖縄県では近年琉球王朝時代から続く「琉装」を着用しての挙式、フォトウエディングも少しづつ人気が出てきています。
「琉装」とは琉球王朝時代の士族(貴族)の衣裳で、女性は着物を帯でとめない、男性は羽織をつけず、帯を前で止めるなど、中国の漢服と日本の和服の影響を受けた独特のスタイルが特徴です。
式場、リゾートホテルが集まった恩納村でも琉装を貸し出しているお店があるためお色直しなどで記念に着用しても良いかもしれません。
「マナーが人を作る」ではありませんが、自由度が高くなったリゾートウエディングとはいえ、親族や年長者が出席するウエディングであれば最低限のマナーは守りたいもの。
とはいえ、デザインやカラーが豊富で、服装の選択肢が増えてきた最近のウエディング。フォトウエディングで新郎がハーフパンツを着用したり、新婦がドレスを着たまま海に入ったりとリゾートウエディングならではの自由度を楽しむことも大切です。
衣裳の種類や型はトラディショナルな着こなしを守り、お色直しでは本当に着たい服を身に着けるなどTPOを上手に使い分けて、自分らしいウエディングを演出してみてはいかがでしょうか。
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