沖縄の料理と聞いて、ゴーヤーチャンプルーやポークたまごに代表されるような沖縄料理をイメージされる方も多いでしょう。旅行で沖縄を訪れる方は、やはり観光グルメを楽しみたい気持ちから、料理を口にすることが多いかと思います。
沖縄料理が苦手な人は「美味しくない」というイメージを抱いてしまうこともあるかもしれません。しかし沖縄料理としてではなく、沖縄産の素材を個々に味わうとその美味しさにびっくりする人も。最近では沖縄産の素材をあえて生かしたフレンチやイタリアンなども人気を博しています。
今回は、沖縄が誇るブランド食材をご紹介。沖縄は大好きだけど、結婚式のゲストは美味しい食事でもてなしたい!沖縄の婚礼料理って大丈夫なの?と思っている方は必見です。
まずご紹介したいのは、結婚式のメイン料理ともなるお肉。特に牛肉は、世界の首脳たちもうならせた「石垣牛」をはじめとし、美味しいブランドビーフが目白押しです。
日本の名だたるブランド牛の子牛のうち沖縄で育つものが多いので、多くは県外に出荷されるため、成牛まで育つものは「幻の牛」と呼ばれるものばかり。いずれも沖縄が誇る美味しさです。
沖縄のブランド牛と言われて真っ先に思い浮かぶのが、沖縄サミットで供されて大絶賛されたという「石垣牛」ではないでしょうか。実は、日本の三大和牛として知られる松阪牛、神戸ビーフ、米沢牛などの子牛は八重山諸島で買い付けられるものが少なくなく、もともとの血統の良さは折り紙付き。
世界のVIPを魅了しただけあって、そのとろけるような食感と味わいは絶妙で、脂身もサッパリしつつも旨みが口いっぱいに広がるという美味しさです。
子牛のうちに出荷されず、大人になるまで石垣島で育った牛が「石垣牛」として表示され、南国の太陽と潮風を浴びて育った石垣牛は、シンプルに焼いてそのまま食べるだけでも旨みが広がります。
沖縄美ら海水族館がある「本部町」(もとぶちょう)。「もとぶ牛」は本部町にある「もとぶ牧場」で育った牛のことを言います。オリオンビールの粕と糖蜜を配合したオリジナル飼料を食べて育った黒毛和牛は、繊維質が豊富でとろけそうな甘みのある肉質が特徴。
農林水産大臣賞で最終週賞に輝いたこともある、肉質の良さはお墨付きの牛肉です。
本部半島の沖に浮かぶ「伊江島」。伊江島で育てられる牛は、石垣牛と同じく、全国に出荷されるブランド牛の子牛。実は伊江島で生まれた多くの黒毛の子牛は、神戸や松坂といったブランド和牛の素牛として出荷されています。年間を通してもほんの数頭しか出荷されず、石垣牛と同じく成牛となるまで島で育つ牛は少ないため、希少価値の高い「幻の牛」と呼ばれています。
伊江島のミネラル豊富な牧草やサトウキビを食べ、広々とした牧場で育つ伊江牛は、甘みのある赤身部分に、脂身もサッパリというバランスのとれた味わいに仕上がります。
名前の通り宮古島で育つ「宮古牛」。やはり宮古島でも全国に出荷されるブランド牛の子牛を育てているので、島で最後まで育つのはわずかな頭数のみ。しかし、島で育つ牛は、大きくするための配合飼料ではなく、昔ながらのワラを食べ、地下水を飲み、自然豊かな環境で伸び伸びと育ちます。
沖縄和牛の最高傑作とされる雄牛の血を引く宮古牛は、素晴らしい肉質を持つ極上の牛肉。宮古島の婚礼料理ではぜひ味わいたいですね。
「てびち」や「ラフテー」など、沖縄料理では身近な食材が豚肉。「鳴き声以外はすべて食べつくす」とも言われます、在来種「アグー」のほかに、白豚を交配させた「あぐー」豚、をはじめとしたブランドポークをご紹介します。
沖縄固有の在来種の黒毛の豚です。肉が柔らかで脂身が多く、優れた味と食感を持つ豚ですが、成長が遅く、小柄で収穫できる量が少ないとして、一時は絶滅に危機に。現在はその価値が再び認められ、頭数が増えてきてはいますが依然として純血のアグーはとても希少です。
ひらがなの「あぐー」とは厳密にいえば異なり、カタカナで表記される方が純血種に近いものです。2012年には、戻し交配によって開発された最も純血アグーに近いとされる品種が「今帰仁アグー」として商標登録されています。
在来種の「アグー」も西洋の白豚を交配させたのが、ひらがなでJAに商標登録された「あぐー」豚です。純血ではありませんが、50%以上アグーの血を引いているものにこの名がつけられます。その特徴であるさっぱりとした脂肪の旨みやまろやかな食感も受け継いでいます。アグーに比べて手に入りやすいため、多くのお店で取り扱いのある豚肉です。
アグー豚の種の保存を目指して交配によって生まれた「やんばる島豚」。あぐー豚と西洋豚のハイブリッドです。肉質はしまりがあり、豊富な栄養と旨みが凝縮されています。甘みがある脂身も特徴。
やんばるの自然の中で栄養豊富なエサを食べ、美味しい水を飲んで育った島豚はコラーゲンも豊富です。美容と健康に美味しい豚肉なのです。
パイナップルにはたんぱく質分解酵素がふくまれ、肉質を柔らかくする効果があります。そのせいなのか、パイナップルを食べて育った「パイナップルポーク」もうっとりするほど柔らかく、牛肉のように味がしっかりとした豚肉です。
沖縄といえばアグー豚や、その血統が注目されがちですが、パイナップルポークも美味しさでは負けません。普通の豚肉にくらべ、カロリーや脂質は控えめですが、ビタミンやアミノ酸は豊富に含まれています。
アメリカの某フライドチキンチェーンの中で日本一の売り上げ店は実は沖縄にあります。豚肉を使った料理や、牛ステーキの人気が高い沖縄県では、鶏肉も良く食べられているのです。
一社)日本食鳥協会に唯一沖縄産として登録されているのが「やんばる地鶏」です。やんばると呼ばれる沖縄本島の北部の本部町や恩納村で、植物性の飼料にウコン、ヨモギ、唐辛子、にんにくを配合した飼料で飼育されています。平飼いの環境で飼育しているため、筋肉が発達し、赤みが強くてパサつきの少なく、くせのないジューシーな味が特徴です。
周りを海に囲まれた沖縄では漁業も盛ん。でも「沖縄の魚は暖かいので身が締まっていない」などいろいろな評判もありますよね。
とはいえ、新鮮なうちにすぐ加工できるとあって、鮮度は抜群!そして沖縄ならではの珍しいお魚は、婚礼料理の話題になること間違いなしですよ。
実は沖縄で一番多く取れるのは「マグロ」。漁獲量の半分はマグロなのです。漁獲量も実は全国トップクラス。しかも冷凍せずにそのまま水揚げするの生鮮マグロと呼ばれるものです。
ビンナガマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、クロマグロと多くのマグロをいただくことができますよ。また、最近では沖縄近海や南方で獲れ、鮮度、色、つや、脂ののり具合などを厳選した、天然の生鮮マグロを「沖縄美ら海まぐろ」として新たなブランドも生まれています。
そのカラフルな色合いから観光客に人気のイラブチャー。「ナンヨウブダイ」や「イロブダイ」という魚の別名です。
実は白身の魚で、そのブルーの皮の色をあえて生かしてお刺身にすることもありますが、マース煮(塩味の煮物)や、酢味噌和えで食べることが多いです。見た目に反して淡白で上品な味なのでどんな味付けも合います。
「沖縄の魚」といえば、真っ先に思い浮かぶのがこの「グルクン」という人もいるかもしれませんね。グルクンはスズキ目タカサゴ科に属し、正式名称は「タカサゴ」です。
沖縄では「グルクン」という名前の方がなじみ深く、クマザサハナムロなどとの総称として沖縄県の県魚に指定されている魚です。白身魚で、一般的には唐揚げにして食べられています。
白身の高級魚で、県内では刺し身や煮付け、魚汁などで食されており、養殖もされています。ハタの一種で脂が美味しく、同じく高級魚として知られる「クエ」や「アラ」といった魚と同じような上品な風味です。
皮と身の間に旨みが凝縮されており、皮つきのお刺身やそのまま蒸したり煮たりすることで、その旨みを残さず食べられます。
その長いひげや腰が曲がった姿は長生きの象徴であり、さらに加熱して赤くなることからお祝い料理には欠かせない縁起物の車海老。
実は車海老は沖縄の名産品。沖縄のキレイな海と太陽の下で育った車海老は、イキが良く、プリプリの海老はお刺身でも天ぷら、ソテーなどでも最高です。
沖縄の太陽の恵みを受けた野菜は、ビタミンやミネラルの栄養がたっぷり!普通の野菜も作られていますが、より「沖縄らしいもの」をご紹介します。
沖縄の野菜と言って、真っ先に思い浮かべる人が多いのは「ゴーヤー」ではないでしょうか。沖縄のレストランでは、イタリアンでもフレンチでも和食でもどこかしらゴーヤーをアクセントに使った料理を供しているところは多いもの。ビタミンCも豊富で、美容にも嬉しい食材です。
サラダやオードブル、メインの付け合わせの野菜やピクルスとしてなど、このビジュアルがあるだけで、ぐっと沖縄らしさを料理に演出できます。
加工品以外翁県外への持ち出し禁止なので、沖縄県がいの方が、紅芋タルトやアイスなどのスイーツ以外でその姿を見ることはあまりない「紅芋」。
もちろんウエディングのお料理でもスイーツとして供されることも多いのですが、そのまま焼いてお料理に添えたり、蒸したものを濾してスープになったりと、様々な使われ方があります。
鮮やかな緑色をした「うりずん豆」は、シカクマメとも呼ばれ、その四角型の個性的な外見が特徴的。さっぱりした味で、クセがなく、歯ごたえのある食感を楽しみます。
「うりずん」とは「潤い初め」を表す沖縄の言葉で、旧暦の2~3月ごろ。梅雨入りする前の春の気候のことを差しますが、うりずん豆は品種改良されて夏の野菜となっています。
沖縄の在来種のにんじんです。「チデークニー(黄色い大根)」とも呼ばれます。オレンジではなく黄色で、ゴボウのように細い外見をしています。
旬は冬。普通の人参とは味が違い、別の野菜とも思えるほどです。独特の爽やかな香りを持ち、生クリームとの相性が良いので、洋風の料理にもよく使われる野菜です。
葉の表は緑、裏は紫色をした葉野菜「ハンダマ」。古くから不老長寿の薬と言われ、目の病気や血の病に効果があるとされる野菜です。
生のままでサラダに入っていた李、あえ物や添え物など様々な料理に使われる野菜です。ゴーヤーと同じく、あるとぐっと沖縄らしさを演出できる野菜のひとつでもあります。
沖縄といえば、トロピカルフルーツの宝庫!代表的なマンゴーのほか、様々なフルーツを味わえるのが嬉しいですね。そのまま味わうほか、ソルベなどのスイーツや、お料理のソースにも使われるなど、沖縄らしい料理には欠かせません、
沖縄県産マンゴーの旬は2回あります。1回目は6月下旬~7月のアップルマンゴーの旬。そして2回目は8月のキーツマンゴーの旬です。
出荷量は断然アップルマンゴーが多く、ほのかな酸味のある赤いマンゴーを食べた方も多いはず。キーツマンゴーはアップルマンゴーより大ぶりで緑色。アップルマンゴーよりも甘みが強いのが特徴です。
旬以外の時期は冷凍したものを使っていますが、マンゴーは冷凍してもあまり風味が変わらず美味しくいただけるフルーツ。婚礼料理だけでなく、沖縄に来たらぜひマンゴーを味わってくださいね。
果肉はちょっぴりで、びっしり詰まったタネの酸味と食感を一緒に楽しむパッションフルーツ。その刺激的な味わいがクセになると人気のフルーツです。
そのまま食べると結構酸味が強いのですが、スイーツにすると、その酸味が素敵なアクセントに。ムースやケーキ、ゼリーなど様々なスイーツにも使われています。旬は3~6月です。
タイ料理の「ピタヤ」でおなじみドラゴンフルーツも、沖縄で収穫できる果物です。沖縄では完熟したものを収穫するので、甘みが強く美味しいドラゴンフルーツを食べることができますよ。
赤も白も両方収穫できるほか、最近では「ちゅらみやび」というピンク色のドラゴンフルーツも登場しました。7~11月にかけて収穫されます。
「パイナップルパーク」や「パイナップルポーク」があるくらい、沖縄ではパイナップル栽培も盛んです。一口に「パイナップル」といっても、沖縄ではいろいろな種類のパインが栽培されています。人気なのは、カットせずとも手でもいで食べることができる「スナックパイン」や、写真のようにピンク色で桃のように甘いという「ピーチパイン」。
パイナップルはマンゴーなどに比べて身近なフルーツかもしれませんが、沖縄のパインはいずれも糖度が高く、県外の方は食べてびっくりする人も多いので、ぜひ一度食べてみてくださいね。
パインの旬は、石垣島をはじめとする八重山諸島で4~6月、沖縄本島では6~7月となります。
沖縄には塩をはじめ、独自の調味料も盛りだくさん!代表的なものを見ていきましょう。
沖縄では各地で塩造りが盛ん。沖縄の塩をはじめとした世界中の塩を集めた「塩屋(まーすやー)」は、沖縄から本土に進出した大人気のショップでもあります。
本島では「ぬちまーす」のほか、「北谷の塩」「屋我地の塩」「浜比嘉塩」「伊江島の塩」などなど、多くのブランド塩があるほか、宮古島の「雪塩」、ロイズとコラボしている石垣島の「石垣の塩」も有名ですね。
沖縄の美しい海から採れた塩はいずれも、製法の違いはあっても、海水に含まれるミネラルを豊富にその中にとどめているのが特徴。沖縄の自然の恵みをそのまま味わえる調味料です。
専門店以外に、地元スーパーでも豊富な品揃えの塩は、味付けのアクセントとして欠かせません。ステーキにそっと添えるだけでも味を引き立たせてくれますよ。
沖縄には独自のスパイスがたくさんあり、お料理に合わさることで奥深い味わいを演出してくれます。写真のスパイスは「ピパーチ」(ピパーツ、ヒバーチ、ビヤージなど呼ばれることも)というもので、沖縄特産の「島こしょう」と呼ばれるもの。爽やかな辛味と、シナモンのような甘みが合わさった味わいがあります。
他にも小粒なのに辛さは大きな「島とうがらし」や、その島とうがらしを泡盛に漬けこんだ「コーレーグース」などは、沖縄そばでおなじみですね。
また、沖縄ではバジルやミント、レモングラスやローズマリーといったハーブ栽培も盛ん。ちょっとしたお料理に使われているパセリやディルも県産素材です。
沖縄独特のハーブといえば、フーチバー(ヨモギ)も多く使われ、沖縄そばのトッピングとしてだけでなく、様々な料理にアレンジし、その独特な風味がユニークな味わいを添えています。
沖縄ウエディングをするなら、どこかで沖縄らしさを出したいとお考えの方も多いはず。そこでお役立ちなのが、沖縄県産素材です。県産素材をレストランのシェフの腕で華麗な料理に!アミューズからデザートまで県産素材を使うことで、美味しくて、沖縄らしいウエディングのお料理を作ることが可能です。
メニューにも「石垣牛のステーキ ピパーチを添えて」など、素材を明記することで、より沖縄らしさが引き立つだけでなく、結婚式がより印象深いものに。
ふたりの好きな沖縄を、ゲストの方にも料理でも味わっていただいて、「沖縄のウエディングってこんなに美味しいんだ!」と楽しんでいただくためにも、婚礼料理にはぜひ、沖縄県産の素材を積極的に盛り込んでいきましょう!
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